モテ男生産工場

スーツのテーラーさんとも互角にスーツ談義ができるようになった頃、
社員にスーツの選び方を尋ねられました。

ずっとアプローチをかけていた女性とようやくデートに行けることになったので、
勝負服が欲しいとのことです。

社員のため、そういうことなら、と私の方まで気合が入ります。

私は友人から教わった方法をベースに、スーツのテーラーさんから話を聞いたり、
あらゆる書籍や雑誌を研究し、自分のスーツ選びで活用し、実践の中で磨き上げてきたノウハウを駆使して、彼に似合ったスーツを選びました。

この時も決して高いスーツを買ったわけではありません。
けれどまるでオーダースーツを着ているような見栄えに仕上がり、
自然と彼の姿勢が正され、表情もキリッとして、
見違えるようにいい男になりました。

その姿を見て私は”これならうまくいくな”と思ったものでした。

後日結果を聞くと、彼は落ち着きのない子犬のように興奮しながら

「社長、ありがとうございました!選んでもらったスーツを着ていったおかげで、堂々と振る舞えて、自信を持って彼女をエスコートできました!おかげさまで付き合えることになりました!めっちゃ嬉しいです!ありがとうございました!」

と、顔につばが飛ぶくらいに詰め寄って、握手をしながらお礼を言ってくれました。

彼は本当に嬉しそうでしたし、それを聞いた私も嬉しかったです。

自分の運命を変えたスーツ選びのノウハウが、他人の運命も、
いい方向に変えてしまったのです。

そしてその後、その恋愛がうまく成就した社員の噂を聞きつけ、
他の社員や、付き合いのある業者の社長から社員から、
私の周りにいるスーツを着る機会のある人間たちが私の所にやってきては、
「選び方を教えてくれ」「なんなら一緒に選んでくれよ」と
ひっきりなしに訪ねてきました。

知識やノウハウを独り占めするのも私の性分ではないので、集まった全員に
”中学生でも理解できる簡単なスーツ選びのポイント”を教え、
低予算で良いスーツを買うコツや、
スーツ姿をより魅力的に見せるテクニックなどを話しました。

この頃は、仕事の話をするよりも
スーツの話をする時間のほうが長かったです(笑)

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